今年の「新米」が各地で店頭に並び始めました。気になる価格は去年より高めですが、今後、新米の価格はどうなっていくのか、取材しました。 【画像を見る】「ブランド米」と「銘柄米」スーパーでの平均価格のグラフ 「新米」入荷の都内精米店 コシヒカリ価格 去年の1.4倍 東京・江東区にある「三河屋精米店」では… 記者 「お店に入ってすぐ、一番目立つ場所で、新米が売られています」 8月13日に入荷したばかり、令和7年産の「新米」です。 気になる価格は、佐賀県産のコシヒカリの玄米が5キロで4500円。2024年は3300円だったので、約1.4倍になっています。 買い物客 「みんな値上げしているので、お米も仕方ないのかな。みんな負担するしかないのかなと思っています」 「やっぱり新米は美味しいですからね。(高くても)多少は良いかなと」 一方、購入をためらう人も… 買い物客 「高いと思いますね。3000円のちょっと上くらいだったら良いかなと思います」 千葉県にある別のコメ店「綿文商店」も新米を取り扱っていますが、やはり2024年に比べて、価格は大きく上がっていました。 【千葉県産ふさおとめ(5キロ)】 2024年8月:2800円 2025年8月13日:4200円 では、なぜ今年は新米が高いのでしょうか。 三河屋精米店 鈴木康夫 代表取締役 「古米のブランド米よりも新米は価値が高いので、(新米価格は)それよりも高く出てくるんですよね。古米のブランド米が安ければ、新米もそれに応じて少し安くなったのかもしれない」 12日に発表された「スーパーでのコメの平均価格(7月28日〜8月3日)」は3542円(5キロ)、2週ぶりに値下がりとなりました。 ただ、備蓄米を含む「ブレンド米」と「銘柄米」の価格を分けてみると、「銘柄米」は4202円、まさに高止まりの状態です。 【スーパーでのコメの平均価格(5キロ・税込み)】※農林水産省より 銘柄米:4202円…前週マイナス45円 ブレンド米(備蓄米含む):2999円…前週マイナス134円 三河屋精米店 鈴木康夫 代表取締役 「(古米の)ブランド米も安くはなったのですがまだ高い。(新米を)古米より安く売ってしまうと古米が全然出なくて、新米ばかり売れてしまうので、古米が残ってしまう」 「値段が落ち着いてから」新米入荷を見送るスーパーも… 例年以上の価格となっている2025年の新米。東京・板橋区にあるスーパー「マルヤス 高島平店」では… 記者 「備蓄米の取り扱いはありますが、新米は置いていないようです」 売っているのは「備蓄米」と古米の「銘柄米」。今年の「新米」は販売していません。 スーパーマルヤス 松井順子 代表 「新米出たての時期はやはり価格がどうしても高い。当店では少し値段が落ち着いてから毎年仕入れをしている」 今後、新米の流通価格が下がると予想し、入荷のタイミングを見計らっているといいます。 では、いくらだったら新米を購入するのでしょうか。お客さんに聞きました。 30代女性 「今出たてで5000円くらいのもあるけど、3000円…4000円切ってくれたらいいかなって感じ」 70代男性 「3000円台になるんじゃないかとテレビで言っていたけど、3000円ちょっとなら新米買おうかなと。3500円くらいまでかな」 では今後、新米の価格が下がる可能性はあるのでしょうか。 東京大学大学院 鈴木宣弘 特任教授 「今回の新米の高騰の理由は、すでに生産者段階での契約価格が高くなっている。(10月に新米が)どれだけ大量に出てくるか。今年がどれだけ豊作になるか。もう1つは、輸入米がどれだけ入ってくるか。それによっては、3500円くらいのレベルに収れんしてくる可能性もあると思う」 星さん「物価高対策は給付金も減税も足踏み状態」 井上貴博キャスター: 生産者の収益を考えても3500円くらいが現実的なのかなと思いますが、あとは政府が増産に転換した影響がどう出てくるのかですね。 TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: コメはある程度高止まりで、ガソリンの価格も高止まりしています。参院選挙であれだけ言われていた「物価高対策」は、いま給付金も減税も足踏み状態です。とにかく早く臨時国会を開いて、物価高対策を実現してもらわないと困りますよね。 ========== 〈プロフィール〉 星浩さん TBSスペシャルコメンテーター 1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年