お盆休み、仕事のストレスから開放されている方も多いこの時期。だが、別なストレスを感じている人たちも……。帰省や実家、夏にまつわる大反響を呼んだ仰天ニュースを特別セレクション!(初公開2023年9月18日 記事は取材時の状況) * * * プロ野球を現地で観戦すると、若い女性の売り子からビールを買うサラリーマンをよく目にする。特に夏の暑い日は、売り子から買うビールを楽しみに球場に行く人も多いのではないだろうか。 元グラドルのおのののか、モデルのほのか、乃木坂46の柴田柚菜など、多くの女性タレントを輩出してきたビール売り子のアルバイト。 女子大生の間でも超人気バイトとして知られており、一種のステータスとも言えるビール売り子だが、その実情は決して華やかなことばかりではないようだ。今回は、数年前にビール売り子として東京ドームで働いていた経験のある山崎みな実さん(仮名・28歳)にインタビュー。「ビール売り子バイト」の裏側を探った。 ◆売り子バイトの時給は「五千円ほど」だった 現在は大手企業の広報担当として働く山崎さん。大学時代はモデル活動をしていたが、仕事はあまり多くなく、安定した収入は得られなかったという。学業とモデル活動の合間に短時間で効率よく稼げるアルバイトを探していたとき、ビールの売り子を見つけた。 「売り子は完全歩合制だけど、ビールを売ったバック以外に色んなインセンティブがあるんです。三連戦手当とか、デイゲーム手当とか。一回の試合で、大体一万五千円は稼いでいたと思います。野球の試合は3時間くらいなので、時給換算すると五千円ですね。私はあまり売れる売り子じゃなかったけどこれくらい稼げていたので、売れてる子はもっとすごいと思いますよ」 ◆「笑い方がブス」と言われて涙したことも 学生バイトの中ではかなり高給取りなビール売り子。しかし、運動系の部活動に所属したことがなく、性格もおっとりしている山崎さんは、ビール売り子業界の“THE・体育会系ノリ”になかなかついていけなかったと話す。 「当然ですが、重たい樽を背負って階段を上り下りするので、かなり体力が必要なバイトです。肩に入れてるタオルが絞れるくらい汗をかくし、一度の出勤で毎回1.5〜2kg痩せてました。 あと、精神的にも結構キツい。売り子のサポートをしてくれる“チェッカー”という人がいて、『あのお客さん見逃したでしょ』とか『今日全然売れてないよ』など仕事の合間に注意されるんです。『笑い方がブスだから売れないんだよ』と言われて、ショックで泣いてしまったこともありました。」 ◆売り子が頭につけている「花」の秘密 「売り子同士の上下関係も厳しくて、一年目は花を着けちゃダメとか、中学校の部活みたいなルールもありましたね」 実は、ビール売り子が着けているあの“花”には、知られざる物語があるらしい。 「『売れっ子だった先輩の花を引き継ぐことが名誉』という風潮がありました。だから後輩はみんな、人気があった先輩の花をもらいたがるんです。売り子によっては見るからに年季の入った花を着けてる子がいるんですけど、その花には売り子としての誇りだったり、先輩と後輩の絆が詰まっているんです」 ◆アサヒは元気系、キリンはアイドル系… 美女揃いのビール売り子バイトだが、やはり採用倍率はかなり高いらしい。各メーカーはどのような基準で売り子を選んでいるのだろうか。 「見た目が綺麗、可愛いというのは前提とした上で、アサヒは元気系、キリンはアイドル系、エビスはモデル系、サントリーは女子アナ系を採用するイメージがあります。面接では実際に樽を背負って『ビールいかがですかー?』と販売の実演をさせられました。まるでCMのオーディションみたいでしたよ(笑)。 1 2 次へ