女学生が描いた昭和20年、教諭「忘れられない年を絵と文で残すように」…頭巾にモンペ姿で雪合戦

 第2次世界大戦が終わった1945年(昭和20年)はどんな一年だったのかを、当時の女子生徒が描いた絵日記から知る企画展「木更津高等女学生が描いた戦争と平和」が、千葉県木更津市太田の市郷土博物館金のすずで開かれている。  31日まで。  学芸員の依田あゆ美さんによると、絵日記は、県立木更津高等女学校(現・県立木更津東高校)の教諭だった蔵持正三さんが「昭和20年は、日本の歴史上はもちろん、君たちの人生にとっても忘れられない年となるから、絵と文でこれを残すように」と、敗戦後の冬休みの宿題として課したもの。  生徒たちが提出した絵日記のうちの秀作57点を蔵持さんが保管していたが、10年前に遺族が博物館へ寄贈した。同館はその一部を常設展示しているが、57点全てを並べるのは2015年の戦後70年企画展以来。  生徒が取り上げた出来事を1945年1月から12月までの月ごとに展示している。  勤労動員された工場周囲の野原で、頭巾にモンペ姿で「滅敵の心をこめて」雪合戦を楽しむ場面が描かれている一方、空襲で逃げ惑う様子も見られる。8月15日、床の間に据えたラジオの前に座って玉音放送を聞く一家5人が、全て女性だったのも目を引く。8月26日に復員した兄を弟と2人で迎えに行った生徒は「戦に敗れたとはいえ家中はお祭のやうになってしまった」と喜びを記している。  依田さんは「生徒たちがいろいろな体験を自分の言葉で書いているのが魅力。戦争体験を語れる人が少なくなってしまう中、こうした資料なら子供たちでも理解しやすいだろう」と話す。  会場には、終戦後の8月19日、降伏調停協議のため木更津から飛び立った航空機「緑十字機」の模型や写真も展示されている。入場無料。月曜休館。問い合わせは、同博物館(0438・23・0011)へ。

もっと
Recommendations

西日本短大付、八回に4番・佐藤仁の決勝打で競り勝つ…聖隷クリストファーは武智遥士が同点打

西日本短大付2—1聖隷クリストファー(2回戦=15日)西日本…

【皇室コラム】戦後80年——空襲の記憶を刻む皇居・宮殿の「加藤清正の水盤」

皇居・宮殿の中庭の隅に、「加藤清正の水盤」と呼ばれる大きな青銅の…

「黒煙上がり爆発音が」工場で火災…消火続く 奈良・吉野町

奈良県吉野町にある工場で火災が発生し、現在、消火活動が行われてい…

【速報】萩生田光一議員の政策秘書を略式起訴 政治資金規正法違反の罪 東京地検特捜部 自民党裏金事件

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件で、東京地検特捜…

自民・萩生田光一氏の政策秘書を政治資金規正法違反で略式起訴…検察審査会「起訴相当」議決踏まえ

自民党旧安倍派の政治資金規正法違反事件を巡り、同派から受け取っ…

【 氷川きよし 】 「もんじゃ食べた」 東京・月島で熱々の鉄板で夜の食事を満喫する様子を公開

歌手のKIINA.さんこと氷川きよしさんが、自身のインスタグラムを更新…

「超短距離の小田急ロマンスカー」が来月走る! 小田原駅から“意外な場所”まで直通 今だけの貴重な並びが実現へ

小田原駅から「開成車庫」まで入線小田急電鉄と小田急トラベルは、2…

新発田市・胎内市に発表されていた「土砂災害警戒情報」解除【新潟】

新発田市と胎内市に【土砂災害警戒情報】が発表されていましたが、15…

参政党・神谷宗幣代表ら88人で靖国参拝 発表した戦後80年談話の全文

参政党の神谷宗幣代表が15日、自身のX(旧ツイッター)を更新…

新潟県内の土砂災害警戒情報はすべて解除 17日から18日にかけて再び大雨のおそれ(15日午後1時15分)⦅新潟》

15日午後1時55分、新発田市、胎内市に出されていた土砂災害警戒情報は…

loading...