自動車メーカー7社【2025年4~6月期実績・2026年3月期予想・関税影響額】 2025年8月7日までに、トヨタやホンダなど国産自動車メーカー7社の2025年4〜6月期実績および、2026年3月期予想が出そろいました。 米・トランプ政権の高関税政策による関税影響は、2025年4〜6月は合計7,830億円にのぼり、2026年3月期予想では2兆6733億円にのぼると見込まれています。 【画像】明るい話題! 日産が今後投入する「高級ミニバン」を見る!(30枚以上) すでに、日本車の対米輸出の関税率は27.5%から15%に下がることで日米間で合意していますが、いまだ時期は不透明。 関税引き下げの時期によっては、さらに関税影響額は大きくなるでしょう。 自動車メーカー7社!第1四半期実績・2026年3月期予想まとめ 今回は、国産自動車メーカー7社の第1四半期実績(2025年4〜6月期実績)および、2026年3月期予想を見ていきます。 ●トヨタ トヨタ トヨタは、2025年4〜6月期連結決算で売上高12兆2533億円(前年同期比:3.5%増)となり、4年連続で過去最高を更新しています。 一方で、営業利益は1兆1661億円(前年同期比:10.9%減)となっており、3年ぶりの減益。 関税影響額は4〜5月のみで1800億円と見込んでいましたが、最終的に4500億円にのぼっています。 【第1四半期実績】 売上高:12兆2533億円(前年同期比:3.5%増) 営業利益:1兆1661億円(前年同期比:10.9%減) 当期利益:8413億円(前年同期比:36.9%減) 関税による影響:4500億円 【通期見通し】 売上高:48兆5000億円(前年同期比:1.0%増) 営業利益:3兆2000億円(前年同期比 :33.3%減) 当期利益:2兆6600億円(前年同期比:44.2%減) 関税による影響:1兆4000億円 ●ホンダ ホンダ ホンダは、2025年4〜6月期連結決算で売上高5兆3402億円(前年同期比:1.2%減)となっていますが、四輪事業においては296億円の営業損失。20年4〜6月期以来の赤字です。 しかし、二輪事業や金融サービス事業によって、四輪事業の営業損失をある程度カバーしています。 【第1四半期実績】 売上高:5兆3402億円(前年同期比:1.2%減) 営業利益:2441億円(前年同期比:49.6%減) 当期利益:1966億円(前年同期比:50.2%減) 関税による影響:1246億円 【通期見通し】 売上高:21兆1000億円(前年同期比:2.7%減) 営業利益:7000億円(前年同期比 :42.3%減) 当期利益:4200億円(前年同期比:49.8%減) 関税による影響:4500億円 ●日産 日産 日産は、2025年4〜6月期連結決算の営業利益が791億円、純損益が1157億円の赤字となっており、関税影響額は687億円。 2026年3月までに最大3000億円の影響があると見込んでいます。 【第1四半期実績】 売上高:2兆7069億円(前年同期比:9.7%減) 営業利益:791億円(赤字) 当期利益:1157億円(赤字) 関税による影響:687億円 【通期見通し】 売上高:12兆5000億円(前年同期比:1.1%減) 営業利益:公表見送り 当期利益:公表見送り 関税による影響:最大3000億円 ●スバル スバル スバルは、2025年4〜6月期連結決算で売上高1兆2141億円(前年同期比:11.2%増)でしたが、営業利益は763億円(前年同期比:16.2%減)となっています。 戸田真介・最高財務責任者(CFO)によると、9月1日から自動車関税が15%に軽減される前提での通期見通しの関税影響額は2100億円。関税引き下げのタイミングによっては、関税影響額はさらに大きくなるでしょう。 【第1四半期実績】 売上高:1兆2141億円(前年同期比:11.2%増) 営業利益:763億円(前年同期比:16.2%減) 当期利益:548億円(前年同期比:34.7%減) 関税による影響:556億円 【通期見通し】 売上高:4兆5800億円(前年同期比:2.3%減) 営業利益:2000億円(前年同期比 :50.7%減) 当期利益:1600億円(前年同期比:52.7%減) 関税による影響:2100億円 ●マツダ マツダ マツダは、追加関税や為替の影響で、2025年4〜6月期決算で営業損益461億円、純損益421億円の赤字となっています。 また、マツダの世界販売はアメリカが約3割を占めているため、2026年3月期の通期見通しでは純利益が200億円(前年同期比:82.5%減)になると見込まれています。 【第1四半期実績】 売上高:1兆997億円(前年同期比:8.8%減) 営業利益:461億円(赤字) 当期利益:421億円(赤字) 関税による影響:697億円 【通期見通し】 売上高:4兆9000億円(前年同期比:2.4%減) 営業利益:500億円(前年同期比 :73.1%減) 当期利益:200億円(前年同期比:82.5%減) 関税による影響:2333億円 ●スズキ スズキ スズキは、2025年4〜6月期決算で売上高1兆3977億円(前年同期比:4.1%減)、営業利益は1421億円(前年同期比:9.8%減)となっており、第1四半期としては5期ぶりの減収減益です。 とはいえ、国内自動車メーカーのなかでは業績は堅調。スズキは2012年に北米の4輪販売事業から撤退済みで、2輪とマリン事業が中心のため、2026年3月期の通期見通しの関税影響額は400億円と試算しています。 【第1四半期実績】 売上高:1兆3977億円(前年同期比:4.1%減) 営業利益:1421億円(前年同期比:9.8%減) 当期利益:1020億円(前年同期比:10.7%減) 関税による影響:ー 【通期見通し】 売上高:6兆1000億円(前年同期比:4.7%増) 営業利益:5000億円(前年同期比 :22.2%減) 当期利益:3200億円(前年同期比:23.1%減) 関税による影響:400億円 ●三菱 三菱 三菱は、2025年4〜6月期決算で売上高6090億円(前年同期比:2.9%減)、営業利益は56億円(前年同期比:84.1%減)、純利益は7億円(前年同期比:97.5%減)で非常に厳しい決算となりました。 為替による影響が209億円、関税影響額は114億円となり、難しい状況に立たされています。 【第1四半期実績】 売上高:6090億円(前年同期比:2.9%減) 営業利益:56億円(前年同期比:84.1%減) 当期利益:7億円(前年同期比:97.5%減) 関税による影響:144億円 【通期見通し】 売上高:2兆9500億円(前年同期比:5.8%増) 営業利益:1000億円(前年同期比 :28.0%減) 当期利益:400億円(前年同期比:2.4%減) 関税による影響:400億円 自動車メーカー7社【2025年4~6月期実績・2026年3月期予想・関税影響額】一覧表 ※ ※ ※ トランプ関税後となった各社の第1四半期実績・2026年3月期予想。 今後、どのように影響となっていくのか。各社の動向から目が離せません。