小泉農水相が握る石破政権の命運…続投望む首相からは「幹事長」の椅子、党内有力者の“激推し”受け「総裁選」へ前のめり

 自民党は9月2日、両院議員総会を開き、参院選大敗の要因を分析、検証した報告書を発表する。そして、9月8日には総裁選を前倒しで実施するかどうかの集計結果が発表され、石破茂首相(党総裁)が退陣するかどうかの分かれ目を迎える。  石破政権は「森山裕幹事長なしには運営できなかった」(自民党ベテラン秘書)というくらい、森山氏に頼ってきた部分が大きいという。 「党内外に広い人脈を持っているため、党内をまとめる力があり、野党とも話ができる貴重な存在。森山さんがいなくなれば、石破政権は持たないとみられてきました」(同前)  自民党内の政局が続くいま、その森山氏の去就がまず注目されている。総括の報告書の素案について、共同通信や朝日新聞などが「石破首相個人の責任言及を回避、また首相個人の責任を強調しない」内容になるなどと報じたからだ。  前出の秘書が言う。 「報告書では、森山幹事長らの党執行部全体の責任を強調するとみられています、そのため、総括を発表した後に、森山さんと木原誠二選対委員長が辞任を表明するのではないかと党内では言われています」  ただし、全国紙政治部デスクは、やや慎重ぎみにこう話す。 「森山幹事長が辞めるかどうかは、いまは『極めて微妙』という言い方しかできません。森山氏は、少し前までは、参院選総括が出た段階をもって辞任する意向がけっこう固かったのです。参院選で与党が過半数を割り込んだ後も、石破首相から事態打開のため、ほかの野党との交渉の指示などがいっさい降りてこないことにいら立っていました。  他方、日本維新の会や国民民主党は軒並み『参院選で国民からNOを突きつけられた石破政権とだけは、連立や協力はできない』と口をそろえ、こうしたことも耳にした森山氏は『なんとか石破さんに区切りをつけてもらわなければ、予算が通らない』と話していました。いわば自らの辞任を足がかりに、首相に“詰み”を意識してもらう作戦でした」  ところが各社の世論調査では、石破内閣の支持率は思わず上昇し、現在、石破首相は辞任する必要はないという声のほうが多数派を占めている状況だ。そのため、森山氏の心情にも変化が起こっているのだという。  デスクが続ける。 「最近は内閣支持率の急上昇を受け、森山氏が首相からの慰留を断り切れるのか、疑問符がつき始めたというのが大方の見方です。ただ、森山氏辞任となれば、党内が納得できそうな後任幹事長として、小泉進次郎農水相ぐらいしか思い当たりません。石破氏も、進次郎氏が森山氏に代わって幹事長を引き受けてくれれば、自らの政権を継続できると考えているようですし、それくらい期待しています。  ただし、進次郎氏にこれを断られた場合は、ここで石破氏は政権継続を断念して、石破政権も終わってしまうという局面になるのではないかと思います」  小泉農水相は、事実上の減反にあたる生産調整を見直すコメ増産体制へと舵を切り、自民党が長年、続けてきたコメ政策を転換した。  2024年9月の自民党総裁選では、急失速し、3位に沈んだ小泉氏だが、次の総裁選にも意欲満々だという。 「進次郎氏は、石破首相のコメ改革を自らの手でも成しとげたいと強く思っているので、基本的には首相サイドに立つ人物です。ただ、最近は麻生太郎党最高顧問と岸田文雄前首相が“進次郎推し”に変わったことを見据え、2人のもとにあいさつに行くほど、トップを取ることに前のめりになっています。石破首相から『幹事長に』と言われた際、首相を第一に狙うなら、この申し出を断るはずですが、実際どうなるかはわかりませんが……」(前出のデスク)  9月8日に総裁選の前倒しが決まれば、進次郎氏は出馬することになりそうだ。  前出の自民党秘書が言う。 「麻生さんは、2024年の総裁選では高市早苗前経済安全保障担当相を支援しました。総裁選の前倒しが実施されることになれば、今回も高市さんを支援するとみられていたのですが、進次郎さんを推すとなると、高市さんは苦戦しそうですね。  岸田さんについても、2024年の総裁選で石破総裁誕生に貢献し、製造者責任がありますから、石破さんを支え続けると思っていました。が、臨時総裁選の実施を見越したうえで、進次郎氏を支援することに切り替えたというわけですね。2人とも、主流派として党内での発言力を失いたくないという判断なのでしょう」  麻生氏、岸田氏という党内の有力者も味方につけ、“激推し”状態の進次郎氏だが、総裁選の実施の可能性はどれほどなのだろうか。  日本テレビは、臨時の総裁選をおこなうべきかどうか、自民党国会議員295人に対面とアンケートで調査した結果を8月25日に報じた。 「おこなうべき」が120人で、「おこなう必要はない」が40人。「決めていない」が90人という結果だったという。  前出のデスクが言う。 「この調査は匿名を条件に集めたもので、『おこなうべき』という議員がかなり多かったのですが、今回は記名式になったことと、石破内閣支持率上昇を受けたことで、前倒しに賛成しづらくなっていることは事実です。万一、前倒しに失敗すれば、賛成した議員は次の人事ではねられる可能性もあり、議員にとっては簡単な選択ではありません。1票ずつ与えられている都道府県票では、賛成のほうが多くなりそうです。参院選で石破首相が嫌われている事実を、都道府県連幹部は知り抜いているケースが多いからです。これらを総合すると、過半数は“微妙”になりそうな感じです」  運命の9月8日はもうすぐだ。

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